夢見るゾンビ

「そう、良かったじゃない!」

気づいたら、通話時間がもう1時間になろうとしていた。

今私はお母さんに電話で、通学一日目の報告をしていたところ。

笑顔が絶えないクラスメート。

かっこいい青木くんに恋をして、その1分後に恋に破れたこと。

フツーだけど優しそうな及川先生。

お母さん、富士見学園ヤバイ!天国だよあそこは!

受話器をあてた耳が痛がゆいのも構わず、興奮ぎみにまくしたてた。

お母さんは、忙しいだろうに娘のそんな電話に付き合って、いちいち一緒に喜んでくれた。

お母さんはお医者さんだ。

仕事が忙しくて、週末にしか帰ってこれない。




< 26 / 235 >

この作品をシェア

pagetop