夢見るゾンビ
「そう、良かったじゃない!」
気づいたら、通話時間がもう1時間になろうとしていた。
今私はお母さんに電話で、通学一日目の報告をしていたところ。
笑顔が絶えないクラスメート。
かっこいい青木くんに恋をして、その1分後に恋に破れたこと。
フツーだけど優しそうな及川先生。
お母さん、富士見学園ヤバイ!天国だよあそこは!
受話器をあてた耳が痛がゆいのも構わず、興奮ぎみにまくしたてた。
お母さんは、忙しいだろうに娘のそんな電話に付き合って、いちいち一緒に喜んでくれた。
お母さんはお医者さんだ。
仕事が忙しくて、週末にしか帰ってこれない。