夢見るゾンビ

「だからね、友達100人なんて、あっという間に達成だよ。もう、今日だけで50人は行ったかも」

朝会ったスズメとか駅員さんとか、キオスクのおばちゃんとかも含めればね。

この調子だと明日には目標達成だ。

お母さんは、フフフと笑ってから言った。

「そんなにたくさんいるんなら、選り取りみどりね。高校は3年間あるんだから、ゆっくり選んだら?」

友達を選ぶ、か。今までそんなこと、考えたことなかったけど。

私が友達を選べるなんて、なんという贅沢。誰にしようかなぁ、ムフフ!

「部活はどうするの?」

「うん、それなんだけどさぁ…」

「あ…ごめん、ばんび」

受話器の向こうの空気が、突然変わったのを感じた。






< 27 / 235 >

この作品をシェア

pagetop