夢見るゾンビ
「だからね、友達100人なんて、あっという間に達成だよ。もう、今日だけで50人は行ったかも」
朝会ったスズメとか駅員さんとか、キオスクのおばちゃんとかも含めればね。
この調子だと明日には目標達成だ。
お母さんは、フフフと笑ってから言った。
「そんなにたくさんいるんなら、選り取りみどりね。高校は3年間あるんだから、ゆっくり選んだら?」
友達を選ぶ、か。今までそんなこと、考えたことなかったけど。
私が友達を選べるなんて、なんという贅沢。誰にしようかなぁ、ムフフ!
「部活はどうするの?」
「うん、それなんだけどさぁ…」
「あ…ごめん、ばんび」
受話器の向こうの空気が、突然変わったのを感じた。