夢見るゾンビ

「浩二おじちゃん!」

浩二おじちゃんは近くに住んでいる、お母さんの弟だ。

おじちゃんもお母さんと同じ病院で働いているけれど、ホーシャセンナントカという仕事なので残業はない。

大体一人で夜を過ごす私を心配して、時々様子を見に来てくれる。

それはありがたいんだけど…

「ちょっと!今パンツ見たでしょ」

「スカートのままごろごろするな!見たくなくても見えてしまうわアホ!」

お母さんよりもしつけが厳しくて、少々閉口してしまう。

「勝手に家に入らないでって言ったでしょ、変態!」

おじちゃんの顔色が変わり、あからさまに「今俺ブロークンハート」といった表情になった。

「ばんび~、その呼び方はなんだ!!」

あ、変態はさすがに言い過ぎたかな?

「おじちゃんじゃなくて、お兄さんだろ!」

あ、そっちですか…。

森永浩二、30歳・独身。まだ「おじちゃん」という呼び名を受け入れがたい、微妙なお年頃だ。




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