夢見るゾンビ

「・・・」

突然、胸に何かがこみあげた。

「よかったな」

その一言に、おじちゃんの全ての思いがこもっているのが分かった。

おじちゃんの、私への思いが伝わってきて、

今までのこと、そのときの気持ちが波のように膨らんできてこらえきれず、

視界がぼやけた。



―――そう。本当に、よかった。


気づかれたくなかったから、「うん」と声に出さずにうなずいたけど、その拍子に涙が一粒、頬を伝って転がっていった。


< 35 / 235 >

この作品をシェア

pagetop