夢見るゾンビ
初登校の今日は、みんな少し早めに登校しているらしく、午前8時を回ったばかりの校門も既に生徒でにぎわっている。
フツーのケータイ小説だとこの辺で・・・
「ばーんびっ!」
不意に背後から襲ってきたのは、まりりんこと浜崎まり。隙さえあればこんな風に後ろから抱き着いてくる、油断のならない私の悪友。
「ちょっと、パンツ見えそうだよ」
まりりんの後ろを、ちょっと恥ずかしそうについてくる森ガールは、こまつん。小松めぐみ。こまつんとは小学校からの付き合いだ。いつもゆっくりおっとり、癒し系。
それに・・・
「おっ、ばんびじゃねぇか」
ちょっと低めのハスキーボイス。その声は・・・私の王子様♪キャー!!
・・・みたいな、人物とキャラ紹介を兼ねた軽いジャブが描かれるのだろうけど、私の場合それはなし。
なぜなら・・・。
私は、周囲をちらりと見回した。