夢見るゾンビ
私も笑った。
確かに一人でニヤニヤしていたから、怪しい人と思われたに違いない。
いい雰囲気だと思ったのは、自分だけだったみたいだ。アハハ。
「あのね、お母さんがこんな留守電を残して・・・」
と、事情を説明した。
青木くんは、ニコニコしながら話を聞いてくれた。
あぁ、青木くんって笑うとエクボができるんだ。
引き締まった顔の輪郭と柔らかい笑顔が好対照で、つい見てしまいたくなる。
「なんだ、彼氏からの電話なのかと思った」
私の話が終わると、青木くんはそう言った。
「へぃ?」
またもや、予想外の展開だ。
答えに困った私は、とりあえず大爆笑してみた。
「何それ!彼氏なんかいないよ!」
「そうなんだ」
青木くんは、なぜかほっとした表情を浮かべた。
え?なにほっとしてんの?
私が青木くんの反応の一つ一つにとまどっているうちに、青木くんはさらに決定的な言葉を放った。
「・・・よかった」