夢見るゾンビ
「ごめんね、待った?」
由奈がいつもより早足で歩くので、私は少し心配になった。
もしかして由奈、ちょっと怒ってる?
心当たりは、なくはなかった。最近、ぶーちゃんとお昼まったりしていると、よく呼ばれるようになった。
用件は大体、部活のことなんだけど。「購買にジュースを買いに行こう」みたいな、さもない用事のときのこともある。
私のほうには、由奈は決して来ようとしないのだ。ぶーちゃんと仲良くしていることが、あまり嬉しくないのかなぁ?
もしかして、嫉妬?
「ううん、大丈夫」
私の心配とは裏腹に、由奈は笑顔を向けてくれた。
「突然思いついただけだから。タオルたたんじゃったほうが、放課後スムーズかと思ってさ」
そっかぁ。そうだよね!
さすが、しっかり者の由奈!
私が、そう言って由奈を誉めようとした時だった。
「でもさぁ」
由奈が歩きながら、口を開いた。