夢見るゾンビ
でも、お母さんが言ってた。
「ばんびだけじゃない。みんなも実は、ドキドキしてんのよ」
そう、そうだよね。私は自分にそう言い聞かせると、顔を上げる。
入り口近くにいた子と、目が合った。
栗色の長い髪に、目の大きな女の子。制服からのぞいている手足も、細くて長い。モデルさんみたいな子だ。
こんな非の打ち所のないような子も、ドキドキしてるんだろーか。
内心そう思ったけれど、私だって自分で言うのもなんだけどなかなかの美人さんだ。(そう言ってくれるのはお母さんだけだけど)
私は目をそらさずに、とびきりの笑顔を作った。
「おはよう!」