夢見るゾンビ

ふいに声をかけられたのに驚いたのか、その子はもともと大きな目を、一瞬さらに大きく見開いた。

その後、にこり、と微笑んだ。

「おはよう」

教室内の固まっていた空気が、ほぐれていくのを感じた。

私の席は、窓際から二番目の、後ろから二番目。

前の入り口から入った私は、席に着くまでも何人かに声をかける。みんな、同じように笑顔で返してくれた。

私の足取りは、まるで翼がついたみたいに軽い。

すごい!みんな、すごくいい子たちだ!

この調子で、一日10人くらいは友達になったら・・・

脳内計算機を、高速で叩く。

10人×10日=100人

友達100人なんて、あっという間にできちゃいそう!



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