お隣注意報
「侑紀ーおはよーっ」
「おはよ理英」
蜂屋理英。《ハチヤ リエ》
私の大学の友達。
昨日デートなう宣言した友達。
「昨日はゴメンねデートの邪魔しちゃって」
「大丈夫大丈夫。それより侑紀もはやくカレ作りなよー。話聞きたーい。」
「それより聞いて!!私一人暮らし始めたんだけど、隣の部屋の人凄いイケメンなの。」
「本当!?うわぁ会ってみたいわ~」
「ここの大学だって!3年って言ってた」
「…まじ!?3年のイケメンっつったら詩蓮さん?」
「長原さん知ってるの?!」
たしかにイケメンだし…有名だったんだ。
女の人に人気そう…
てか、詩蓮さんって笑っちゃう。
「詩蓮さんはね、いろんな女の人と遊んでるけど手は出さないって有名だよ!だからそういう行為を望んでない女の人も寄ってくるって。」
「そうなの?!……童貞とか?」
「付き合った子とはヤるって聞いたけど…よくわかんないや。噂ではかなり上手いって。」
「所詮噂だよね。」
「あーゆーのが草食系男子って言うのよね!」
…草食系男子……。
たしかに、そんな感じかも…。
あれ?いろんな人と遊んでるって…。
日曜日の人は彼女って言ってなかったっけ?
ううん、言ってない。デートとは言ってたけど彼女とは言ってなかった。
「なんか変なの。」
「あははっ一人が寂しいなら侑紀も遊んでもらったら?」
そんな事を笑顔でさらっと言う理英に向かって私は無言で中指を立てた。