お隣注意報
ピピピピピピピピピピばちん!!
「ぅー…ん…」
結局昨日は無事に眠れました。
──────
「オレさ、好きな人いんだよね。」
「え?」
「だから、もう帰って。」
聞こえた長原さんの声。
「えっちょっと!誰よそいつ!」
私も聞きたい!
玄関に移動したのかドアの開く音が聞こえた。
「内緒。ほら、もう遅いから送ってくよ。」
あ、ちゃんと送ってってあげるんだ。
紳士だなー。
でもそういう事ばっかりするから女の子達が寄ってくるんでは…?
…好きな人って誰なんだろう。
靴を履いてドアを開けると、ちょうど長原さんとバッタリ。
「おはよーございまーす。」
「おはよー工藤さん。ついでだし一緒に行こ。」
「あ、はい。」
この人ホントに歳上なのかな?
なんか普通に学生に見える。
…うん、大学生も学生だね。
「ねぇ、工藤さん昨日なんか聞こえた?」
「へっ!?」
壁に耳くっつけてまで聞いてましたなんて言えるわけねー!!
「あ、あぁ!!なんか女の人の声が聞こえました!!彼女さんですか?」
「違うよ。」
でしょうね!
はっ…そういえば好きな人って誰なんだろ。
「あの…」
「工藤さん。」
「はい?」
「オレ、工藤さんの事好きだよ。」
突然の告白に、私の思考は一瞬で停止してしまった。