お隣注意報
「おはよ侑紀。」
「おはよー理英。あのさ…」
気になったことがあったので理英に聞くことにした。
「詩蓮さんはね、よく分かんないんだけど…」
「え。」
どうりで。
「毎日交代で女の人と付き合ってるんだよ。」
どうも今日の女の人の言葉に引っかかってしまっていた。
『今日詩蓮はアタシのだからね?!』
『今日詩蓮は』
『今日』
毎日違う女の人って…
長原さんよくやるなー。
疲れないのかな?あんな女の人ばっかり。
ちょっと…いやかなり胸でかいからって可愛いからって!
私はモヤモヤが晴れないでいた。
「なんで?」
「え?」
「最近侑紀、よく詩蓮さんのこと聞くよね。もしかして好きなの?」
「…なわけないじゃん、そんな遊び人の人なんか。私は生涯ショボーンと生きていくって決めたの!」
「…人生損してるよー」
「うるさいよリア充のくせに!」
そう。
好きになるわけがない。
大勢いる女の人の一人になんてなりたくないもん。
私は、自分のなかの気持ちの矛盾に気づかないでいた。