お隣注意報
「ね、もう惚れてるでしょ?」
笑顔が笑顔じゃない気がする。
惚れてる?
私、長原さんに惚れてるの?
まさか。
「惚れてないですよ。」
きっと、そう。
「…へぇ。」
それだけ言うと、ぐんっと長原さんがのしかかってきた。
「ちょ、な、え!?」
待って待って待って!
私の頭はパニック状態。
でも、長原さんは私の上にのっかかったまま動こうとしない。
「な…長原さん…?」
「…」
寝息が聞こえた。
寝てる。人の上で。
…とりあえずこの場を持ちこたえたぞ。
長原さんも明日には忘れてるだろな。
めちゃくちゃ酔っ払ってたし。
私は長原さんを横に転がして部屋をでて、自分の部屋に戻るなりシャワーを浴びた。
まるで今夜は脱出ゲームのようだった。
本当に。
もう長原さんとはお酒飲まないようにしよう。
もし、もしあそこで私が告白を受け入れてたらどうなったのかな。
え、私付き合いたいの?
違う違う。もしもの話。
…寝顔写メっとけばよかったかも。
頭を乾かして、ベッドに突っ伏した。