お隣注意報


───ピーンポーン…

インターホンをならしてお隣さんが出てくるのを待つ。

がちゃ。
ガツン!!!

「ぁうっ」

「え、大丈夫ですか?」

「すみませ…」

開いたドアにオデコをぶつけてしまった。

こんなお約束あっていいのか。

「あのっはじめまして!」

「…はじめまして。」

「私隣に引っ越してきた工藤といいます!」

「あぁ、どうも」

そう言ったお隣さんは若々しい童顔のイケメンさん。

こんなかっこいい人の隣って。

よっしゃあでかした私。心の中でガッツポーズしちゃうよ。

てか、彼女とかいるよね普通に。

いらない情報だけど私はいませんよー。

「これ、つまらないものですけど…っ」

あー!!!まだコンビニの袋だったー!!!

うわぁぁ、恥ずかし…!

「ありがとう。」

にっこりと笑った顔は、もう本当にグハッとなる程の可愛い笑顔。

「いえ、これからよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくね、工藤さん。俺は長原詩蓮(ナガハラ シレン)ってゆーの。」

「了解です長原さん。それでは。」

うふふ~。イケメン君と仲良くなっちゃったぁ。

私今、絶対ニヤけた顔してる。

これじゃ変態だ。

そんなことを思いながら冷蔵庫の中からビールを取りだし、一人で引っ越し祝いの乾杯をした。


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