お隣注意報
「アタシが言ったこと忘れたわけ?」
ああ、やっぱりね。
予想はしてましたよ。はい。
元カノVS現カノ?ふん、勝負する意味なんてないよだって長原さんは私が好きなんだもん。
『忘れてませんよ、でも今は私がお付き合いさせていただいてるんです。今は』
わざとらしく"今"を強調するとパーマンは顔を赤くして
「どーせあんたもフラれる運命なんだから!」
なんて叫んできた。
それは長原さん次第だし、否定できないけど…
「それは大丈夫だよー」
『…あ、琉多』
「詩蓮は侑ちゃん大好きだからさ?マリのことなんてもう忘れてるよ」
マリ…マリっていうんだこの人。
「琉多…っ!でもっ」
わーかわいこぶっちゃってる。
目がうるうるして上目遣い…ってこの天然男にそんなの通用しないと思うけど。
「侑ちゃんはもう行っていいよ」
「ちょっと!まだ話は…」
「終わってるの。マリはもう邪魔しちゃダメだからね?」
「…なによ!こんなブスッすぐ飽きられるんだから!」
そういって走って逃げていったマリさん。
ぐさり。
きたよマイハート。
「侑ちゃんは可愛いからね!」
『はは…ありがと…』
なんだかあっけなく終わってしまったなぁ、つまんないの。
なんて考える私の心は17歳の夢見る乙女の時代でストップしていた。
でも、執念深い…というより未練がましいパーマごほんごほん、マリさんがこれで諦めるわけではなかった。