恋する家庭教師
「何がって聞いてるんだよ」


声変わり前って感じの葵君の声に私は恐怖が込み上げてくる。


「ぉい。何があんな言い方だよ?」
「……、ぉ…母さんに、乱暴な言葉…ダメ、だよ…」


涙声になるけれど、必死に言葉を振り絞りながら言うけれど、ぜんぜん説得力なし。



「………何だよ。カテキョになって、一人前になったつもりで説教かよ?」



彼の顔をチラッと見たら、怖いぐらいに睨まれている。

「………ご、ごめんなさい…」
「フン!」


すぐに誤ると、葵君は再び机に向かった。

葵君の凄みのある視線から逃れられた私は、体中の力が抜けていった。

ホッとしたのと同時に、彼が何を考えているのかわからない…。



…これからの事を考えると、不安が渦巻く…。
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