恋する家庭教師
なんだろう。
この気持ち。
理解不能…。



…けれど、彼に誤解しないでって言いたかった。

でも、何を誤解しないでなの?



自分でわからない。
自分の事なのに、自分がわからない。



どうしよう、心臓が…心臓が落ち着かない…。


「俺のカテキョだ!」



そう言って、葵君は先輩に食ってかかりながらも、私を引き離そうとしてる。


「…神田、大丈夫か?」
「ぁ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」



抱きとめられたままの姿勢で、お礼を言った私は、先輩から離れて靴を抜いた。

けれど、それを狙ったのか、再び私は葵君に腕を掴まれる。



「あ、葵君?」
「授業するんだろ!!」
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