恋する家庭教師
ダン!!
葵君の怒号とともに私の後ろ、白い壁を殴っていた。
その殴った音に、私は一気に恐怖心を感じる。
足元から恐怖と言う震えが、上へと這い上がってくる。
怖い…。
「俺は、…あんたが…」
彼が何を言いたいのかわからない…。
けれど、知りたいとも思う。
「あお、い君…?」
俯いて何かを呟いたけれど聞こえず、葵君を呼んだ。
「何? 葵く……ッ!?」
目の前にいた葵君はいなくなった。
どこにいるのかわからずに探そうとするけれど、何かに捕らえられているみたいに動かない…体中が。
「ん、んん…ん」
息苦しい…。