恋する家庭教師
キスされるのも、キスするのも初めて…。


「…私の事が好き、なの?」
「………ぅん、好き…」



「じゃ…、私のお願い。ひとつだけ、聞いてくれる?」




葵君はキスされた事に驚いたのか、目を丸めて私を見る。

その顔が、葵君らしさを引き立てる。
可愛いけれども、その中に男らしさを感じる。



惹かれる。




そう思った瞬間、彼をもっと知りたい。私の事ももっと知ってほしい。

「…何?」


「私の…名前、呼んで?」

ゆっくりと重なる手。
ゆっくりと近づく唇。


「ゆ、結花…」



重なるキス。


戸惑いながらも彼の口から奏でられる私の名前。

葵君の口から私の名前を呼ばれる。



自分の名前が、特別なものになった気がする……。








【Happy End】
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