笑う門にはオレ様がきた!!
ゲートをくぐる時
一瞬振り返りそうになったけど


止めた。


何か悔しかったから


弟子として恋人として
最後の私の意地だ。


カッコつけた事いって
本当は今でも私の事を
行かせたくない癖に。


毎晩々、私の事をギュッと
抱きしめて寝てたのは
一体、どこの誰だ?


だったら
私もカッコよく旅立って


師匠の事なんか
考える暇もないくらい
働いてやろうって思ったんだ。


だから一度も振り向かなかったし
不思議と涙もでなかった。


ただ飛行機が離陸した時漸く、
私の目から涙が一筋こぼれた。


一度こぼれだした涙は止まらなくて


人目も気にせず嗚咽するほど泣いたんだ。


隣の席のおばさんが
心配してたけど
それでも泣く事を止めなかった。






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