笑う門にはオレ様がきた!!
須磨 圭


かつて、


オレが最も信頼をおいていた男。


そして、


オレを裏切りある日突然、


姿を消した男でもある。


水族館に隣接するカフェに到着すると


圭はすでにテーブルについていて


片手をあげ


「和さん!」


と明るくオレを呼ぶ。


ったく、


昔のまんまのテンションで
呼ぶなよ 。


こっ恥ずかしい……。


向かいの席に座りオーダーを済ませる。


「悪かったな、呼び出して。」


「和さんから連絡をもらえるなんて
光栄ですよ。
何を置いてでも飛んで来ますよ。」


何、いってんだか。


調子いいよな。


口ではああは言ってもこいつも今や
超多忙な毎日の筈だ。


中々、言葉が見つからず
アイスコーヒーの氷を
ストローで回すオレ。


それを黙ってみていた圭が
口を開いた。


「彼女行ったんですか?」


「あぁ、今朝な… 。
色々悪かったな
アイツにニューヨークへ
行くよう後押ししてくれたって?」


オレは心音から話を聞いていた。


圭に会ってニューヨークへ
行くことを決心できたと。







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