笑う門にはオレ様がきた!!
その夜、
オレ達は心音が滞在する部屋で
ただただ、
きつく固く抱き合って眠った。


心音を抱きしめる感覚が
ハッキリと思い出される。


やがていつかの夜のように
お互いの呼吸を重ね深い眠りにつく。


思えばオレにとって
久しぶりの上質な睡眠だ。


そして一週間ほどの滞在で
心音はまたニューヨークへと戻った。


滞在中、
アイツもオレも仕事が立て込んでいて
結局会うことが出来なかったけど


まっ一ヶ月後、
今度は帰国という形で
オレの元へ戻ってくるからいいんだけどな。


「そういや、
アイツまだオレの事を師匠って
呼んでやがったな
ったく……。」


そう言いながら
和室のリビングに置いた
真新しい座椅子にゆっくりと
もたれるオレ。


これからのオレ達の事を考えると
自然と顔が緩むのが自分でも解る。


実は密かに企てている事があった。


それはニューヨークから
帰ってきた心音を
オレの弟子でも恋人でもなく


ヨメにしてやろうと思う。


うーん、
我ながらいいアイデアだろ?








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