下僕彼女
「あぁ」

彼は携帯を手に取った。


「…はい、亜美?」


彼女さんかな…。怒鳴り声が携帯からもれてる。


「あぁ、悪い、寝てた」


携帯のこと言えたし、本でも探しに行こう。


私は本棚に行こうとしたが、なぜか彼に腕を掴まれた。


「え、あ、あの…」


腕を振ってみるが効果なし。


その間も彼は携帯で会話をしている。


「あ、俺ら別れようぜ」


「…!?」


ここで別れ話?!


さっきまでの怒鳴り声は聞こえなくなり、今度は鼻をすする音が聞こえる。


多分、泣いてるんだろう…


「泣くとか無理。じゃあな」


そう言って彼は電話をきった。


「…………」


ひどい。付き合ったことない私でもわかる。


あれはひどすぎる。





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