下僕彼女
「今日からお前は俺の下僕な」


突然発しられた言葉。

……下僕?


「あ、あの下僕って…?」


この人は何を言ってるの?会ってまだちょっとしか経ってないのに。


「俺専用のしもべ」


「ば、馬鹿にしないでください!」


あまりに失礼なことを言うもんだからつい怒鳴ってしまった。


血の気がサーと引く。



わ、私何言って…


「や、あ、あのすみません!!」


絶対怒られる!


ぎゅっと目を瞑る。


「お前に拒否権ないから」



その言葉に目を開けると、彼は怒ってるどころか笑っていた。


悪魔の笑みだ。


「じゃ、明日からよろしくな。伊織」


そう言って彼は私が反論する前に図書室を出て行った。


図書室に一人っきりになっても、まだ放心状態の私。



「私…あの人の下僕になったの?」


小さな声が虚しく図書室に響いた。



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