【BL】お前、マジで?
第1章
夢
「は?嘘だろ?」
「だから、本当だっつってんじゃん。」
目の前には幼なじみの千歳。
そして今俺は目の前の幼なじみにいわゆる、世間で言う[壁ドン]を受けている。
たぶん、これ女子と男子でなら憧れるシチュエーション。
だが、しかし!
生憎と俺は男だ。
憧れる要素など微塵もない。
え?一部女子には大人気?
…どんな人種だよ。
何処の世の中に男同士で壁ドンしてる姿がいいなんてやつがいるんだよ。
え?だから、ここにって?
意味わかんねーよ。
「何ぶつぶついってんの?」
と、千歳に顎を持ち上げられた。
「な、なんでもねーよ。つーか!なんなんだよ、お前こそ!こんなこと…」
不意な事で赤面してしまう。
「だから、俺は彰が好きなの。さっきからいってんじゃん」
その言葉と同時に口をふさがれた。
「ふっ…んっんっ……ちと…せ」
甘い吐息と共にクチュっといやらしい音をたてる。
「ね、彰?お前は?」
頭が熱くてくらくらする。
何も考えられない。
「ね、彰?ねー、彰ってば」
そんなに急かすなよ。
俺はまだ何もわかんねーんだよ。
「は?彰、ちょっと?何言ってんの?」
は?何って、今考えて…。
「なんでもいいから速く起きてくんない?遅刻する」
「へ?」
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