夜猫
簡単に説明された彼等の眉間にはシワがよっている。
夢羽はこくんと頷いて肯定をしめす。
「まぁ、何はともあれ夢羽は任せた。」
良輔はそう言って夢羽に近寄りいつのまにか持っていた服を渡して着替えさせた。
「……何で?」
涼雨は訝しげに良輔を見る。
「コタから猫が猫に懐いたって聞いて、そいつ等に任せようと最初から思ってた。
でも、何もなしに任せんのもあぶねぇから俺が迫真の演技でお前等試したんじゃねぇか。」
『そーだったの?』
「俺がお前襲おうとした事あったか?」
『知らない』
「だろーな」
夢羽をとんっと押して、彼等の方へ歩かせた。
「じゃぁな。夢羽。
サヨナラだ。」
その言葉に夢羽はハッとして良輔とコタを見る。
ふたりは微笑んで夢羽を見ていた。
夢羽は満面の笑みを残して彼等の元へ駆け寄った。
彼等も、微笑みかけてくれ、夢羽は彼等に抱きついた。
客観side-END-