夜猫
『……ごめん、皆』
まー、家に帰ってみればいたるところに怪我してますよ、皆様。
「いって‼
消毒液塗りすぎじゃ阿呆‼」
「五月蝿いよ‼
人が手当してやってんだから静かにしてろ‼」
空祐と涼雨は幼稚な事を言い争いながら手当をしあいっこしてる。
遊優と風生は静かに手当をしあいっこ。
私と楼愛は、重い沈黙の中手当中。
『……』
「…………」
『…ごめん、お兄ちゃん』
あの頃、あの時。
『助かったのが、私でごめんなさい…』
そう言うと、お兄ちゃんは私の頬に手を添える。
「逆。
お前が助かってくれて良かった。」
楼愛は悲しげに揺れる瞳をしっかりと私に向けてくれた。
「ありがと、夢羽」
お兄ちゃんの優しい声。
低くなっているけど。
一緒。
「もう一回お兄ちゃんって呼んで?」
私は微笑んで大きな声でいった。
『お兄ちゃん!』
私達は2人で笑い合った。
「………おいおい、楼愛クン何ラブラブしてんの」