夜猫




『……ううん。


何でもない』



私は静かに首を振って笑った。



……羨ましいよ。




光の当たる所にいて。





「じゃぁ、下っ端に一回挨拶しようか?」



楼愛がニコッと微笑みながら言うと、皆立ち上がった。



「…多分大丈夫だろうな」


涼雨が久しぶりに喋る。



何が大丈夫だ?


『何が大丈夫?』



「……色んな意味だ」



風生が問いに答えず、少し口角をあげた。




『……人…』



私は風生の後ろにサッと隠れた。



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