夜猫
ドアを遊優が開けて、私達は部屋から出た。
そして、ちょっとした階段の上にあるスペースに、ズラリと、風生と遊優を先頭に並んだ。
「……さっき話しされたよね?
諸亞に。」
遊優が、優しく問いかけると、全員こくんと頷いた。
「…こいつが、ソレだ」
私は、風生の服と裾をギュッと握って後ろに隠れていたが、押し出されて私の視界がクリアになった。
『…ぅ、あぁ……う…』
私はテンパって、頭を真っ白にさせた。
「……すまんが、こいつを出入りさせるが…いいか?」
楼愛がふんわりと表情を和らげながら言うと、下っ端は動揺してか、眼を泳がせた。
「……お前等にも迷惑かけるな…」
空祐は申し訳なさそうに顔を歪めた。
それに対し、下の人たちは眼を見開いた。
「……こいつは良い奴だ。
お前達もその眼で確かめて行け」
涼雨がそう言うと、下の人たちは驚いたような顔をしたが、微笑んだ。
「「「はいっ!」」」
威勢の良い返事をしながら、満面の笑みで私を見た。
私はぎくっと効果音がつきそうなくらいに肩を震わせた。