夜猫
風生が、前の広い部屋のドアを開けて入ったので、一緒に入った。
「風生はよー。
琉羽もはよー」
空祐が思いっきり欠伸をしながら挨拶してきて、私も返事をしながら欠伸をしてしまった。
ふと、視線を感じて、斜め上を見ると、
風生はじーっと見てきて………
『………何?』
「まだ眠いか?」
風生はそう言いながら時計を見た。
時計何て久しぶりに見た。
あの部屋には何も無かったから。
『うぅん。
ただ、空祐の欠伸が移っただけ』
私は小さく笑いながらそうとだけ言っておいた。
………実際物凄く眠いが。
私はまた風生に心配されると厄介と判断し、欠伸を噛み潰しながらソファーに座った。
「はょーっす…」
「………はょ……」
楼愛と涼雨が、一緒に部屋に入ってきて座った。
風生はコーヒーを取りに行って居て、私の隣は空いている。
なのに、楼愛と涼雨は私を見て挨拶したのに、その席に来る事は無かった。
……そんなに私は好かれて無いのか…
まぁ、それもそうだろう。
いきなり女が来て、一緒に住む事になったのだから。