♀めい☆こん♂

　私は…更に気が動転して胸に手をあててみたり鼓動音を確かめてみたりしたけど胸打つ鼓動の音は伝わらず現実を突きつけられ追い詰めらていく。

　「そんな…嘘よぉ！だってさっきまでは…！？」

　嘆いても喚いてもどうにかなる訳ではないのだけれど…現実を受け入れられず次第に自分の胸を強打する手に力をこめた。
しかし痛みさえも感じる事ができず更に現実を突きつけられ途方にくれるという…その様子を釈さんは、しばらく見守っていたけれど、ゆっくり私の前に歩みより胸を叩く手を掴み優しい眼差しを返した。

　「【痛み】や【苦しみ】といった感覚を感知する事ができるのは…生きている時のみです。
まれに…例え痛みとして感じたとしても、それは…生前感情として想いが強烈に残っているだけにすぎません。
　命があるからこそ感覚があり、そして…喜怒哀楽といった思いが生まれるのです。
　…現に私や春日井 灯様がこうして対面して会話をしているようにみえても…実際は思想として魂に直接、言葉を送信してお互い受信しているだけにすぎません。俗にいうテレパシーというものですね。」

　優しい眼差しで…釈さんは淡々と私が死んでいるという事実を丁寧に教えて現実を突きつけてくる。

　「『へぇ～そうなんだぁ…！』なんて簡単に納得できる訳ないじゃない！だって…私…死んじゃってるってことでしょう！？」

　泣いても叫んでもも今更どうにもならないのだけど…声を荒げて（思想を荒げてなのかなあ…(汗)）釈さんの淡々とした説明に反論した。

　涙が滲んでくる…。
この涙はいったい何なの？
これから楽しいことだって夢だってあったのに…まだ何もしてないのに突然終わりなんてこんなの…悲しすぎる！？
死ぬ時なんて、よくいうじゃない？
…思い出が走馬灯のように流れてくるとか…そうして…ああ…自分死んじゃうんだー。
　みんな…いろいろありがとね…。ってみんなにお別れをいうの…。
　（ここからは…灯妄想Ｃｈ）
　そして…私の手をとり今までありがとうって寄り添ってくれる大切な人に見守られて天上から黄金の光と天使達のお迎えがきて…人生を“ＴＨＥ ＥＮＤ…”という展開だと思ってたのにぃ～(泣)

　あまりにも違いすぎる展開に私は落胆したまま拳をきゅっ…と握りしめ流れる涙を拭う…。