どうぶつ童話集。
『ままぁ小さいにゃんこがいるよぉ』
小さい男のコがねこを指差して言いました。
『ダメよレオンくん、ノラ猫はあぶないの』
ママは男のコをねこから遠ざけます。
歩き去る2人を、ねこが見えなくなるまで見ていると、1匹の白いネコがやってきました。
「こんにちは、私はリク。今レオンくんとママが通らなかった?」
「通ったよ、小さいにんげんと大きいにんげん。たしかそう呼ばれてた」
「私はリクって呼ばれているよ、キミのお名前は?」
ねこには名前がなかったので「わからない」と言いました。
リクは「かわいそう」と言ってしっぽをふりふり行ってしまいました。
「…ボク、かわいそう?」
ねこは少ししゅんとなってトコトコ歩き出しました。
「そうだ、ボクの名前を探す旅に出よう」
ねこはヒゲをぴんっとのばして旅に出る事を決めました。