どうぶつ童話集。
きんぎょは目をキラキラ輝かせてポコポコ叫びます。
「すごいっ!お魚さんがお空を泳いでるっ!」
きんぎょがくるくるお部屋の中を泳ぎ回っていると、スズメさんが戻ってきました。
「あのお魚さん達があそこにいるのは少しの間だけだよ、もう少ししたらいなくなってしまうんだ」
「そうなの?きっと自由にお空を泳ぐ旅に出るんだね」
きんぎょがそうにっこり笑うと、スズメさんもそうかもしれないね、と笑いました。
「ぼくもいつかあんな風にお空を泳げるようになるかな?」
「その小さなお部屋に入りきらないぐらい大きくなったら、いつかはお空を泳げるようになるかもしれないね」
きんぎょは嬉しくなって、もらったごはんは残さず食べるようになりました。
小さなお部屋から、真っ青なお空を見上げて。
いつか自分も大きくなってあのお空を泳ぐんだっ!
そう夢見ながら、きんぎょは今日も笑顔でお空を見上げるのでした。
おしまい。