どうぶつ童話集。
痛む羽根を休めながら、地面を必死で歩くかなりあに小さな女のコが気付きました。
『鳥さんどうしたの?怪我したの?』
かなりあの傷ついた羽根を見て、女のコはそっと手を差し延べました。
けれども人間が怖くてしかたがないかなりあは、その手をクチバシでつつきました。
女のコは指から血を流しながら、やっとの思いでかなりあを捕まえます。
『ママー鳥さん怪我してるの、お家で手当していい?』
女の子はかなりあのクチバシで怪我をした手を開いてママに見せました。
『あらあら、じゅじゅちゃんも傷だらけじゃない』
ママが心配そうに女のコの手の平ごとかなりあを包みました。
『じゅーは大丈夫よっママがお薬塗ってくれればすぐ治るもんっ鳥さんの怪我もじゅーが手当したらすぐに治るかな?』
ママはそうね、と笑ってかなりあも一緒にお家へ連れて帰ってくれました。