どうぶつ童話集。
次に太陽が昇った時、かなりあは女のコの手に包まれてお外に連れて行かれました。
治って良かったね、と女のコはニッコリ笑いました。
『それじゃあ元気でね』
そう言って手を開いたけれど、かなりあは手の上から動きませんでした。
…だってまだ、『ありがとう』を言ってない。
かなりあは必死で鳴こうと口を開きます。
そんなかなりあを見て、女のコは悲しそうに涙を流しました。
『ごめんね鳥さん、家では飼ってあげられないの…』
その涙を見て、かなりあは昔どうして唄っていたのかを思い出しました。