どうぶつ童話集。
のっそり、のっそり。
かめさんは今日ものんびりゆったり歩きます。
小さなネコがかめさんの甲羅をコンコンとつついてご挨拶しました。
「こんにちは、かめさん。お出かけですか?」
「やぁネコくん、こんにちは。孫が生まれたので会いに行くんですよ」
かめさんはそれはそれは嬉しそうにニッコリ笑いました。
「そんなにゆっくり歩いていたらなかなか会いに行けないよ?ボクの背中に乗りますか?」
「ありがとう、でも大丈夫。自分の力で会いに行きたいからね」
ニコニコ笑うかめさんの後ろをトタリ、トタリと歩きながら、ネコは首を傾げました。
「かめさんはどうしてそんなにのんびり屋さんなの?ボクなら早く会いたくて走って行くのにな」
「それじゃあ歩きながら昔のお話をしましょうか。昔はね、私達かめもすごく早く走る事ができたんですよ、そう、トカゲさんみたいにね」
かめさんはのんびりと、でも歩きながら話し始めました。