どうぶつ童話集。
 

すると、

お空の色が突然黄色くなって、雨がやみました。



『わんちゃん大丈夫?』



黄色いお空の向こうから優しい声が聞こえました。


こいぬはびっくりしながらそろり、そろり、と黄色いお空の向こうをのぞきます。


小さな女の子が笑顔でこいぬを見つめていました。


『かさ、あげるね』


女の子はニッコリ笑って雨の中を走って行きました。



黄色い傘の中は雨が降っていないだけなのに、

とっても、

とっても…

ぬくぬくでした。


こいぬはかなしい泣き声をやめて『ありがとう』の鳴き声をあげました。


 
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