どうぶつ童話集。
 

たくさん転がって疲れたはりねずみは手足を投げ出してペタリと寝転びます。


するとそこに白ウサギが走り寄って来ました。


「はりねずみさんっありがとう!」


真っ直ぐ、キラキラした笑顔で言われたので、

はりねずみは恥ずかしくなってまた丸まりました。


「ごめんね、ボク恥ずかしいとこうなっちゃうんだ…」


はりねずみが小さく呟くと、白ウサギはふふっと笑いました。


「でもそのおかげで助かりました、はりねずみさんのハリは自分だけじゃなくて、ボクも守ってくれた」


だからありがとう、と白ウサギはニッコリ笑いました。



自分を守るためのハリで誰かを守れた事が嬉しくて、

はりねずみもニッコリ白ウサギに笑い返しました。



おしまい。

 
< 80 / 98 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop