どうぶつ童話集。
クジラは優しく言いました。
「大丈夫、宝物が見つからなくてもカモメさんはきっと許してくれるよ」
「でもボク、いじわるだって言われちゃったんだ、きっと怒ってるよ」
そう言って泣くいるかに、クジラはニッコリ笑いました。
「本当にいじわるだったら、いるかさんはこんなに頑張ってカモメさんの宝物を探したりしないでしょう?」
クジラはひとつ、高々と潮を吹くと、くるりと優雅に泳いで行きました。
そんなクジラの泳いで行った先をしばらく見ていると、バサリバサリとカモメが1羽飛んできました。