どうぶつ童話集。
 

大事に大事に包まれた赤ちゃんの姿は外からは見えません。

でも中からは赤ちゃんの声が聞こえました。


「こうのとりさん、ままはずっと、うみのむこうだよ。おおきなしろい、おうちだよ」


こうのとりは言われた通りに夜の海を渡ります。


「もうすぐだよ、赤ちゃん。ほら、白いお家が見えてきた」


こうのとりは迷う事なく白いお家に舞い降りて、夢の中のママに「こんばんは」と話しかけます。

ママは優しく笑いました。


「こうのとりさん、私の坊やを無事に届けてくれてありがとう」


ママはこうのとりのくちばしから赤ちゃんの入ったかごを受け取ります。


「礼にはおよびません、
       コウノトリ
だってボクは『神の鳥』ですから」


そう胸を張るこうのとりに、ママはにっこり笑ってかごをていねいに開きました。

 
 
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