鬼の花嫁 ‐巡る季節‐





その後風神さんと一緒にドレスを選び、

会場や食事、招待客への

式後のプレゼントなど確認を無事にし終え

後は当日を待つだけとなり……




そして、結婚式当日―…





華やかな飾りや豪華な料理、

たくさんの花々と皆の祝福に囲まれ

あたしと風神さんは晴れて夫婦となった。




なんだか恥ずかしかったけど

嬉しさの方が勝ってしまって…


晴れ晴れとした青空を仰いでいると

自然と涙が滲んだ。



控えていたハンカチで涙を拭い、

挨拶を交わしている風神さんに目を向けていると

シャンパンを持った着物姿の涼さんが

こちらにやってきて、

あたしに声をかけてくれた。


そして、




「うん、やっぱり桜はピンクが似合うねぇ」




私の髪飾りを見つめながら

涼さんが微笑み、あたしに言った。





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