鬼の花嫁 ‐巡る季節‐

すると、いきなり肩を

引き寄せられたかと思えば

風神さんの腕の中にすっぽり収まっていて

すぐ上には風神さんの自信満々の笑みがあった。





「ふ…生憎、俺には
こいつしか見えていないんでな。
そこまで溺愛する者を
大事にしないと思うか？」




全身が真っ赤に染まってしまいそうな台詞を

そう、きっぱり言い切ってしまった。




風神さんは絶対、自分がどれだけ

恥ずかしい事言ってるかわかってない…！



聞いているこっちが恥ずかしくて

頬を染め上げるあたしに

優しい眼差しを向けてくる。




そして、軽くおでこに

キスを落とす風神さん。




目の前の涼さんと水流さんは

クスクスと微笑み、

「末永くお幸せに」と言って

一つ会釈をして歩いて行った。