鬼の花嫁 ‐巡る季節‐





思い出すたびに頬を赤らめる

あたしを見て、玲ちゃんはフォークを置き

こそこそっと佑香に顔を寄せた。




「わ、佑香さん?ノロケてますよ」

「軽く殺意が浮かびますね」




わざと敬語でこそこそっと話す二人。

あと佑香、怖い。





「そ、そんなんじゃないって!」

「あはは、嘘だよ。
はー、桜が幸せそうで何よりだっ」

「うん、そうだね」

「ふ、二人ともー!!」





そんな事を言って笑い合う。



卒業して随分時間が経ったけど、

中学の時と変わりなく笑い合えて嬉しい。



やっぱり見た目や環境、

変わったところは多々あるけど


性格は、いつも優しくて明るくて

頼りがいがあって…


そんな大好きな二人のままだった。






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