鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
良助編
しんしんと雪が降り積もり
冷たい空気が肌を刺す
針のように感じられる寒い冬の事…
朝起きて何時もより冷えるなと思い
布団から出て羽織を着て
ゆっくり襖を開けるとそこには、
「うわぁ…!」
…そこには一面の雪景色。
春には美しい花々が咲き誇り、
夏には眩い太陽の光に照らされ
青々と桜の葉が茂り、
秋には鮮やかな紅葉が見れる庭園は、
今や見事に真っ白な純白へと変わり
ひらひらと小さな雪がちらほら降っている。
きっと昨日の夜に積もったのだろう。
どうりで冷えるわけだ…
あたしは羽織の前を結び、
興味津々に庭園へと出る。