鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
「なぁ、桜」
「んー?」
声をかけられ振り向くと、
得意そうな顔をして良助くんが
小さな手のひらサイズの
雪だるまを見せてくれた。
「わーっ可愛い!」
「よく子供ん時に作ったからさ」
あたしも真似をしながら
手のひらサイズの雪だるまを作っていると
不意にポンっと思いつく。
「ねぇ良助くん。
大きい雪だるま作ろうよ!」
「どれくらい?」
「じゃあ…風神さんくらい!」
そう答えると良助くんは
少し驚いた顔をしてすぐに笑いだした。