鬼の花嫁 ‐巡る季節‐





なんだなんだと

小首を傾げて見つめていると

良助くんはひとしきり笑って言った。




「あははっほんと、
 二言目には“風神さん”だなぁ」




そんな事を言ってからかってくる。



思い当たる節が多くて

ついつい顔を赤らめる。




「ち、ちょっと
浮かんだから言っただけだもん」

「わ、わりぃわりぃ」

「もう…っ」




ふふっと笑いあって

雪だるまの風神さんも見たかったけど

そんな大きいのが作れる程

雪はなかったから

小さい雪だるまを作る事にした。




……雪だるまの風神さんて。


きっと不気味で

仕方ない代物になることだろう。





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