鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
そんな事を思って
団子をもう一口食べようとした時、
刹那がこちらを向き口を開いた。
「姫様、結婚式のご予定は
もうありますでしょうか?」
その言葉に団子が喉に詰まりそうになる。
そんなあたしに慌てて
背中をさすり、お茶を差し出す刹那。
「だ、大丈夫ですか…!姫様」
「う、うん、大丈夫大丈夫……」
刹那からお茶を受け取り、
一口飲んで深呼吸をし落ち着く。
い、いきなりの話題に
焦ってしまった。
ドキドキと煩い心臓を抑え、
危うく死にかけた私の頭に
「花嫁、団子を喉に詰まらせ死亡」
というなんとも無様な死因が過ぎり
どっと冷や汗が溢れ出た。