鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
小さい雪だるまを作ったところで、
良助くんがしゃがんで何かし出した。
「良助くん?なにしてるの?」
問いかけるとにこりと微笑んで
良助くんがこちらを振り向いた。
「これ」
良助くんの手に乗っているのは
めちゃくちゃ上手な雪のうさぎ…
「わぁ…上手!」
「雪うさぎって言うんだ。
よく小さい時に姉貴に作ってもらってよ」
あははっと無邪気な笑顔で
そんな事を言う。
お姉さんがいたとは驚きだ。
兄弟のいないあたしには
とても羨ましい。