鬼の花嫁 ‐巡る季節‐
いつもならそこで眠る所なのだが
今日は違った。
きゅっと風神さんの襦袢を掴み
胸板に顔を埋める。
「どうした?」
風神さんが優しくあたしの頭をひと撫でし、
小さく微笑んで問いかけてくる。
「風神さん……」
こんな、風神さんの
仕草一つにも幸せになれる。
風神さんの胸に頭を寄せ付け、
普段以上に甘えてしまう。
「ふ…なんだ?珍しいな」
少しおかしそうにそう言う風神さん。
でも、ちょっと嬉しそうに。
急に甘えたって、風神さんは
あたしを優しく抱きしめてくれる。