セイクリッド
血の滲む手のひらを眺めながら、自分の置かれている状況をなんとなく理解し始める。

ちょっと痛いけど、血はもう止まっている。


「……落ち着こう。…うん」



どういうわけか、ここで朝を迎えてしまったみたいだけど、どう考えてもここは山の中。


私は昨日……大介と歩いていた。


神様の道を捜して歩いてて、階段を見つけてそれを上がって―――…



古びた赤い鳥居をくぐっていた時に、私は足を滑らせてしまったんだ。


……あのまま、転んでしまったんだろうか?


けど、腕をつかまれた感覚があった…ような気がしてる。


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